従来法

従来法(じゅうらいほう)とは?

従来法とは、
月齢や発達の目安に合わせて、
段階的に離乳食を進めていく方法です。

日本では、厚生労働省の
「授乳・離乳の支援ガイド」をもとに、
多くのご家庭で取り入れられている、
離乳食の進め方です。


このページでは、基本の考え方から始め方、注意点まで
初めてでも分かるように丁寧に解説します。

従来法の基本

従来法ってなに?

従来法とは、
大人が赤ちゃんをサポートしながら、
少しずつ食べることに慣れていく離乳食の進め方です。

日本では現在、
1番スタンダードな進め方と言えるでしょう。

従来法では、
赤ちゃんの発達に合わせて、

  • なめらかな食事から始める
  • 徐々に形や固さを変えていく
  • 食事の回数を増やしていく

といったように、
段階的に食事を進めていきます。

この方法では、

何をどれくらい食べるか
どのくらいの固さのものを食べるか
食事の回数やタイミング

などを、
大人が赤ちゃんの様子を見ながら調整していきます。

大人の役割は、
赤ちゃんが食べやすい形で食事を用意し、
スプーンなどを使って食べることをサポートすることです。

また、従来法は、
「食べることに慣れていくこと」がとても大切です。

最初からたくさん食べることを目指すのではなく、

食べ物の味や食感に慣れる
飲み込むことに慣れる
食事のリズムを作る

といった経験を積み重ねていきます。

従来法は、
進め方の目安があるため取り入れやすく、
初めての離乳食でも安心して始めやすい方法です。

一方で、
月齢や量にとらわれすぎず、
赤ちゃんの様子に合わせて進めていくことが大切です。

「大人が支えながら、少しずつ食べる力を育てていく」
それが、従来法の基本的な考え方です。

従来法のメリット・デメリット

従来法のメリット

従来法は、多くのご家庭で取り入れられている方法で、
初めての離乳食でも安心して始めやすいという特徴があります。

ここでは、BLWを取り入れることで期待できる主なメリットを紹介します。

① 進め方の目安があり分かりやすい

月齢や発達に応じた進め方の目安があるため、
「何から始めればいいか分からない」という場合でも、
手順をイメージしやすく、安心して取り組むことができます。

② 食べた量がわかりやすい

スプーンで食べさせることが中心のため、
赤ちゃんがどれくらい食べたかを把握しやすいという特徴があります。

「しっかり食べられているかな?」といった不安を感じたときにも、
量を目安に状況を確認しやすいのは安心につながります。

③情報が多く、相談しやすい

日本ではスタンダードな方法として普及しているため、
書籍やインターネット、自治体の教室など、
情報や相談できる場所が多いのも特徴です。

特に初めての離乳食の場合、
「どうやって始めたらいいの?」
「どんな目安で進めたらいいの?」
と悩む方は多いと思います。

そんな時に、すぐに情報を得られ、相談できるのは
大きなメリットと言えるでしょう。

従来法のデメリット

従来法は日本で1番スタンダードな方法ではありますが、
取り入れる前に知っておきたいデメリットもあります。
ここでは、特に保護者の方に意識してほしい3つのデメリットをお伝えします。

① 月齢にとらわれやすい

目安として示されている月齢に意識が向きすぎると、
赤ちゃんの発達や個人差を見落としてしまうことがあります。

本来は、月齢だけでなく、
その子の様子を見ながら進めていくことが大切です。


② 食べる量に意識が向きやすい

「どれくらい食べたか」「全部食べられたか」など、
量に目が向きやすく、
食事がプレッシャーになってしまうこともあります。


③ 赤ちゃんの主体性が見えにくいことがある

大人が食べさせることが中心になるため、
赤ちゃん自身の「食べたい」「触りたい」といった気持ちを、
見落としてしまうこともあります。

基本的な考え方

いつから始める?

離乳食は一般的に、
生後5〜6ヶ月頃が目安とされています。

ただし、月齢だけで判断するのではなく、
赤ちゃんの心と体の発達を見て判断することが大切です。

以下のような様子が見られるようになったら、
離乳食を始める準備ができてきたサインと考えられます。

① 首がすわっている

うつ伏せにしたときにしっかり首を持ち上げることができる、
縦に抱っこしたときも、頭を支えなくてもぐらつかない。
これらの様子が見られれば、首がすわっていると言えるでしょう。

② サポートがあれば、まっすぐ座れること

腰をサポートすると座ることができ、
5分程度ご機嫌で姿勢を保てることが目安です。

③ 食材に興味を持つようになること

家族が食事をしている様子を見て、
じっと見つめたり、手を伸ばしたりするなど、
食べ物に関心を示すようになります。

④ スプーンを受け入れられる(スプーンで食べさせる場合)

離乳食開始の時期には、
舌でスプーンを押し出す反射が残っていることが多いです。
あまりにも押し出しの反射が残っている場合は少し時期をずらして再開しましょう。

ミルク・母乳との関係

離乳食が始まったあとも、
母乳やミルクは引き続き大切な栄養源です。

離乳食は、
母乳やミルクの代わりになるものではなく、
不足してくる栄養を補うためのものとして考えます。

離乳食が進んできても、
母乳やミルクを無理に減らす必要はありません。

赤ちゃんは成長に合わせて、
自然と飲む量や回数を調整していきます。

「食べさせるために授乳を減らす」必要はありません。

食事と授乳のバランス

はじめのうちは、

  • 授乳が中心
  • 食事は“慣れるためのもの”

という位置づけで大丈夫です。

成長とともに、
少しずつ食事の割合が増えていきます。

「完了期」の考え方

離乳食には「完了期」という言葉がありますが、
これは「母乳やミルクをまったく飲まなくなること」ではありません。
WHOの考え方では2歳までは母乳を継続することを推奨しています。

食事が進まなくても、授乳量を減らす必要はありません

「食事を食べてほしいから」といって、
母乳やミルクの量や回数を減らす必要はありません。

1歳頃までは、母乳やミルクが主な栄養源です。

食事の量が少なくても、
成長に必要な栄養は、母乳・ミルクからしっかり補われています。

また、母乳をやめたからといって食事量が増えるわけでは
ありません。
赤ちゃんにとっての大切な栄養源を失うだけという結果に
なる可能性も大いにあるため、安易な断乳は避けましょう。

進め方ガイド

離乳食は、赤ちゃんの発達に合わせて、
少しずつ段階的に進めていくことが基本です。

はじめから完璧に進める必要はありません。
赤ちゃんの様子を見ながら、無理のないペースで進めていきましょう。

① はじめる前に確認すること

ま離乳食は、生後5〜6ヶ月頃が目安です。
ただし、月齢だけでなく、赤ちゃんの発達を見て始めます。

▶︎離乳食をはじめる目安はこちら


② 最初のステップ|口に入れる・飲み込む(初期)

赤はじめは、なめらかにつぶした食事を少量から始めます。

この時期に大切なのは、
スプーンから食べ物を取り込み、口を閉じて飲み込む経験です。

・スプーンを口に入れても嫌がりすぎない
・上唇を閉じて、食べ物を取り込もうとする
・舌で強く押し出すことが少なくなる
・少量を飲み込める

スプーンの使い方

スプーンに食べ物をのせたら、まず赤ちゃんに見せてあげましょう。
スプーンを奥まで入れず、赤ちゃんの下唇に軽くのせます。
赤ちゃんが上唇を閉じて、自分で食べ物を取り込むのを待ちましょう。

大人がスプーンを上あごになすりつけたり、口の奥へ入れたりするのは避けます。

③ 慣れてきたら|舌でつぶす・口を動かす(中期)

食飲み込みに慣れてきたら、少しずつ粒感のあるものへ進めます。

この時期は、
舌と上あごを使って食べ物をつぶす経験が大切です。

口角が左右同時に動きます。

・口をもぐもぐ動かす
・食べ物を舌でつぶそうとする
・食べ物を口の中にため込みすぎていない

中期になってくるとペーストから刻みに移行するイメージがある方もいるかと思います。
しかし、刻んだ食材はお口の中でばらけてしまい、食べるのが難しいことが多いです。
ステップアップとしての刻みは必要ありません。

④ さらに進んだら|歯ぐきでつぶす(後期)

舌でつぶせるようになってきたら、やわらかい固形へ進めます。

この時期は、
食べ物を左右に動かし、歯ぐきでつぶす経験が増えていきます。

口角は左右片側ずつ動きます。

・口を左右に動かす
・やわらかい固形を歯ぐきでつぶせる
・1日の食事のリズムを意識し3回食を目指す

回数・量より「できること」を見る

1回食、2回食、3回食は目安です。
大切なのは、赤ちゃんがどの段階にいるかを見ることです。

  • 上唇を閉じて取り込めるか
  • 飲み込めているか
  • 舌でつぶせているか
  • 歯ぐきでつぶせているか
  • 自分で食べようとしているか

こうした様子を見ながら、形・固さ・回数を調整していきます。

手づかみ食べ

手づかみ食べとは、
赤ちゃんが自分で食べ物を見て、手でつかみ、口に運ぶ一連の行動です。

これは単なる「食べ方」ではなく、 目・手・口を連動させる発達そのものです。

厚生労働省でも、
手づかみ食べは「目と手と口の協調運動」であり、
摂食機能の発達に重要な役割を持つとされています。

手づかみ食べはなぜ大切なの?

① 食べる力(摂食機能)が育つ

手づかみ食べでは、

  • 食べ物を目で確認する
  • 手でつかむ
  • 口に運ぶ

という一連の動きを経験します。

この「目・手・口の協調」は、
将来的にスプーンや箸を使うための基礎になります。

② 口やあごの発達につながる

手づかみ食べでは、

  • 自分で一口量を調整する
  • 前歯でかみ取る
  • 自分のペースで食べる

という経験をします。

これにより、
咀嚼(かむ力)や口の動きが自然に発達します。

③ 五感を使い、脳の発達を促す

手づかみ食べは、

  • 見る(視覚)
  • 触る(触覚)
  • におい(嗅覚)
  • 味(味覚)

五感すべてを使う行動です

このような刺激は、
脳の広い領域を活性化させ、発達を促すとされています。

④ 「食べたい」という意欲が育つ

赤ちゃんは、自分で触れたものに興味を持ちます。

手づかみ食べを通して、

  • 食べ物に触れる
  • 試す
  • 繰り返す

ことで、
食への興味や意欲が高まります

大切にしたい考え方

BLWでは、
「上手に食べられるかどうか」よりも、
食材に触れ、形や硬さを知る経験を大切にします。

赤ちゃんの発達に合わせて、
形・硬さ・サイズを調整しながら、
無理のないペースで進めていきましょう。

よくあるご質問

BLW(赤ちゃん主導の離乳)は、どんな赤ちゃんでもできますか?

BLW(Baby-Led Weaning)は、
赤ちゃんの発達をもとに進めていく離乳食の考え方です。

一般的には、標準的に育つ赤ちゃんの発達を目安に紹介されることが多いですが、
早産や病気、障害のある赤ちゃんにとっても、
発達に応じて取り入れることで、良い影響が見られる場合があります。

大切なのは、
健康面の心配の有無で「できる・できない」と判断するのではなく、
その子の発達のタイミングを見ることです。

BLWをはじめてみましたが、なかなな食べてくれません。

従来法と違い、BLWは「今日から始めたらすぐに食べるようになる」というものではありません。
赤ちゃんは、食べるまでに触る・眺める・匂いを感じる・口に運ぶといった段階を、ゆっくりと経験していきます。そのため、はじめたばかりの頃は「食べていないように見える」ことが多くありますが、これは自然な過程です。実際に、口に入れるようになるまでに2週間〜3週間ほどかかることもよくあります。
特に初期は、食べる量よりも、食べ物に慣れ、自分で扱う経験を積むことが大切です。焦って食べさせようとせず、安心できる環境の中で、赤ちゃんのペースを見守っていきましょう。

途中からでもBLWに切り替えられますか?

途中からでもBLWの要素を取り入れることは可能です。ただし、完全に方法を切り替えるというよりも、これまでのスプーンでの離乳食に手づかみ食べを組み合わせるなど、段階的に取り入れていく方法が現実的であり、より安全とされています。

BLWは特定の開始時期に限定されたものではなく、赤ちゃんの発達に合わせて「自分で食べる経験」を増やしていく考え方です。そのため、すでに離乳食が進んでいる場合でも、手でつかめる食材を取り入れたり、自分で口に運ぶ機会を増やしたりすることで、自然に移行していくことができます。

また、世界保健機関 が提唱する「応答的授乳(responsive feeding)」の考え方でも、子どものサインや発達に応じて柔軟に対応することの重要性が示されており、方法そのものにこだわるのではなく、赤ちゃんの興味や意欲に合わせて進めることが大切とされています。