補完食

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補完食とは?

補完食とは、
母乳やミルクだけでは足りなくなる栄養を、
食事で補っていく離乳食の考え方です。

世界保健機関では、
生後6か月頃から補完食を開始することを推奨しています。

この時期は、赤ちゃんの栄養の必要量が増えると同時に、
発達的にも食べ物を受け入れる準備が整ってくる大切なタイミングです。

Happy little baby boy eating food in his house

補完食の基本的な考え方

補完食は母乳や育児用ミルクだけでは足りなくなった栄養を補うためのものです。
そのため、あくまで母乳や育児用ミルクがベースとなります。

また、WHOでは、補完食を進めるうえで次の4つが大切だとされています。

タイミングが適切であることを説明する画像
栄養がじゅうぶんであることを説明する画像
安全であることを説明する画像
赤ちゃんに合わせた与え方であることを説明した画像

つまり補完食は、
「何を食べるか」だけでなく
“どう食べるか”も大切にする考え方です。

補完食のメリット

栄養を効率よく補うことができる

生後6か月以降は、
母乳やミルクだけでは、鉄やたんぱく質などの栄養が不足しやすくなります。

補完食では、
肉や魚、卵、豆類などの食品を取り入れることで、
必要な栄養を効率よく補うことができます。

特に鉄は、この時期に不足しやすい栄養素のひとつであり、
意識して取り入れることが大切です。

細かいルールに縛られない

補完食には、
「この順番で進めなければならない」といった
厳密なルールはありません。

大切なのは、月齢だけで進めるのではなく、
赤ちゃんの発達や様子に合わせて、
食事の内容や進め方を調整していくことです。

そのため、家庭の状況に合わせて、
無理なく進めやすいという特徴があります。

母乳・ミルクをやめる必要がない

補完食は、母乳や育児用ミルクに代わるものではなく、
不足する栄養を補うためのものです。

そのため、補完食を始めたからといって、
無理に授乳を減らしたり、やめたりする必要はありません。

母乳やミルクを土台としながら、
赤ちゃんのペースで食事を取り入れていくことができます。


補完食のデメリット

情報が少なく、分かりにくい

補完食は近年広まってきた考え方のため、
従来の離乳食に比べて情報が少なく、
内容が分かりにくいと感じることがあります。

また、インターネットやSNSでは、
断片的な情報が多く、
かえって迷ってしまうこともあります。

正解が一つではないため迷いやすい

補完食は、
赤ちゃんの発達や家庭の状況に合わせて進めるため、
「これが正しい」という明確な形がありません。

そのため、「これで合っているのか」「どこまでやればいいのか」など
不安になることもあります。

日本では相談できる場所がまだ少ない

補完食は海外では広く知られている考え方ですが、
日本ではまだ一般的とは言えず、
相談できる場所や専門家が限られているのが現状です。

そのため、
疑問や不安があっても気軽に相談できず、
一人で悩んでしまうケースも少なくありません。

補完食の進め方

補完食は、決まったやり方に当てはめるものではなく、
赤ちゃんの発達と栄養の必要性に合わせて、段階的に進めていくことが大切です。

世界保健機関では、
補完食は生後6か月頃から始まり、2歳頃まで続く重要な期間とされています。

生後6か月頃から食事を取り入れる

母乳やミルクだけでは、
エネルギーや鉄などの栄養が不足し始める時期に、
補完食を開始します。

この時期は、赤ちゃんが食べ物を受け入れる発達の準備が整うタイミングでもあります。
ただし、月齢はあくまで目安であり、それぞれの赤ちゃんの発達をみて始めましょう。

食事の回数と量は徐々に増やしていく

補完食は、最初から多く食べる必要はありません。
少量から始め、赤ちゃんの食欲や様子に合わせて、回数や量を少しずつ増やしていきます。一般的には、成長に伴い食事の回数や食べる量が増えていくことが推奨されています。

なお、WHOでは以下のように示されています。
・6〜8ヶ月:1日2〜3回
・9〜11ヶ月:1日3〜4回
・12ヶ月以降:+間食1〜2回

食材の形や固さを発達に合わせて変える

乳児の成長に合わせて、そのニーズや能力に合わせながら、徐々に食べ物の固さや種類を増やしていきます。生後6ヶ月から、ピューレ状、マッシュ状、半固形の食べ物を食べさせることができます。生後8ヶ月までには、ほとんどの乳児が「フィンガーフード」(子供が自分で食べられる形態の食べ物)も食べられるようになります。

生後12ヶ月までには、ほとんどの乳児が家族と同じ種類の食事を摂れるようになります。ただし、肉、鶏肉、魚、卵、乳製品などの動物性食品を含む、栄養価の高い食品を摂取する必要があることに留意してください。

栄養価の高い食品を意識する

赤ちゃんの胃の容量は実はとても小さく、
一度にたくさんの量を食べることができません。

そのため補完食では、
少ない量でも効率よく栄養がとれる「栄養密度の高い食品」を取り入れることが大切です。

特に、鉄やたんぱく質を含む食品は意識して取り入れていきます。

さらに大切なポイントとして、
補完食では「薄すぎない食事」であることが重要です。

補完食は母乳や育児用ミルクでは不足するエネルギーや栄養素を補うものであるため、
母乳よりも薄い食事では、必要な栄養を十分に補うことが難しくなります。

日本では離乳食の初期に「10倍がゆ」がよく使われますが、
水分量が多く、エネルギーが薄くなりやすいという特徴があります。

実際に、エネルギーを比較すると以下のようになります。

母乳とのエネルギー比較表(100gあたり)

母乳65kcal
10倍粥36kcal
全粥71kcal
ご飯168kcal

このように、10倍がゆは母乳と比べてもエネルギーが低く、
同じ量では十分なカロリーを補いにくい食品です。

お粥を提供する場合は、
すすることができない濃さ、スプーンを傾けても落ちない程度の濃さを意識しましょう。

赤ちゃんのサインに合わせて食べる

補完食では、
赤ちゃんの食欲や満腹のサインに応じて食事を進めることが大切です。

  • 食べたいときに食べる
  • いらないときは無理に食べさせない

このような「応答的な食事(レスポンシブ・フィーディング)」が、
食べる力や安心感の発達につながります。

母乳・ミルクとの関係

補完食を始めた後も、
母乳やミルクは引き続き重要な栄養源であり、
食事はあくまで母乳やミルクで足りない部分を補うものです。

そのため、補完食は
母乳やミルクをやめるためのものではありません。
この点を理解しておくことが大切です。

なお、生後6ヶ月までは母乳のみで育て、その後、栄養価の高い補完食を与えながら、2歳以上まで母乳育児を継続することを推奨しています。

補完食を始めた後も、
母乳は赤ちゃんが欲しがるだけ与えて問題ありません

赤ちゃん自身が、成長に合わせて少しずつ飲む量を調整していきます。

母乳と補完食の順番について

母乳と補完食の順番については、
必ずしも「どちらが先でなければならない」という決まりはなく、
家庭のリズムや赤ちゃんの様子に合わせて調整して大丈夫です。

ただし、生後4〜6ヶ月頃については、基本的に母乳を優先して与えることとされています。


大切にしたい視点

補完食で最も大切なのは、赤ちゃんのサインに合わせること

WHOでも、
レスポンシブ・フィーディング(応答的な食事)が推奨されています。

  • 無理に食べさせない
  • 食べたい気持ちを大切にする

これが、
食べる力と安心感を育てていきます。

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